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【立花えりこ×中村うさぎ対談Vol.2】気になる相続トラブル・シニア婚してより健康に長生きに

ブライダルゼルム代表の立花えりこが、女流作家・エッセイストの中村うさぎさんと、シニア婚のあんな事やこんな事について対談させていただきました。そちらの内容を連載でお届けいたしますので一読いただけたら幸いです。

ブライダルゼルム代表:立花えりこ

シニア婚活ブームの火付け役!50代からの婚活を200組以上手がけたアドバイザー

女流作家・エッセイスト:中村うさぎ

現連載情報「うさぎとマツコの往復書簡」「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話

シニア婚における準備とは?

シニア婚、男女どっちが厳しいですか?

うーん、どっちが厳しいというよりは、ちゃんと受け入れ体制がお互いできてる、整ってる、いつでも結婚できるような準備ができてないと入会しても厳しいですよね。

準備ってどんな準備?

たとえば男性だったら、持ち家があるとか。初婚の方だったらなくてもいいんですけど。あと、全然貯金がない。女性のお金をあてにしているとかだと、やっぱり厳しいですし。

え!60歳にもなって女に食わしてもらおうだとっ!?それも図々しいね(笑)。男女の別なく、その年で他人に養ってもらおうって魂胆がさ。

(笑)

再婚の場合は子どもいるケースも多いと思うけど、それは足枷にはならないんですか?

50代後半や60代くらいだと、もう子どもたちも家族を持ってたりするので、逆に子どもに迷惑かけたくないから再婚するという人も多いです。

子供の世話にならないために?

介護とか、心配かけたくないとか。たとえば40代、50代前半の女性とかだと、まだ学生の子どもがいて大学生とか20歳そこらくらいなんですけど、これから子どもが独立して成人して結婚する時に私が一人になっちゃうと子どもが心配するから今のうちに相手だけ見つけておいて子どもが独立したら籍を入れるとか、準備だけしておくという方もいらっしゃいますね。

むむう、用意周到ですね。

うん。すごく先を見て、準備されてる方が多いですね。

そのときまで自分が生きてる自信があるってことにびっくり(笑)。そうなんだ、みんな先を見て、人生設計の一環としてシニア婚みたいな道を選ぶわけですね。

そうですね。

遺産トラブルを避ける用意周到

でも年が年だけに、結婚後数年で死別って可能性もあるわけでしょ?その場合、相続問題を含む家族間の問題はどうなんですか?「なんで後から来た女なんかに財産分けてやんなきゃいけないんだよ」みたいなことを言う子どももいるでしょ。せっかく資産家と結婚できても、シニア婚ならではのトラブルが多そうな気もするけど。

シニア婚すると男性って安心しちゃうのかな。幸せに1、2年暮らして、ある日突然パタッと亡くなってしまうというケースもありますね。その後に連絡をくださる方の話しか聞いてないので全部が全部ではないんですけど、実は亡くなっちゃったのよという連絡受けて「ええっ!」てこっちもびっくりするんだけど、そのときの相続の問題について、あらかじめ準備はしとくんですよね。

結婚前に死後の準備を? これまた用意周到だな(笑)。

一応女性としては、男性の遺族年金と自分の年金と、あと家だけは残してもらうとかいう話にはしておいて。男性も妻と子どもが揉めちゃったりしたら困るという思いが強いので、遺留分だけ妻に、あとは子どもにというふうに決めてたりとか。まぁ、子どもががめつかったりすると、遺留分放棄の書類を出してきて、それで女性が一気に引いちゃってトラブルになったりということはありましたけどね。

婚前に子どものがめつさも要チェックだね(笑)。

やっぱり、自分に何かあった時の準備はみんな、ちゃんとされてますよ。毎年遺言を書き換えたりとか。

偉いね。

私もよく女性に言うんですけど、最初から全部半分もらうつもりでいちゃダメよって。結婚した後に男性の信頼を得て、いい妻になって、1年目2年目と、どんどんこうしてあげたいという気持ちが更新されていくから、結婚してもあぐらをかかずに、いい妻になるようにしなきゃダメよという話はいつもしてます(笑)。

なるほど。毎年遺言状を更新するのは、妻への愛情度が増減するからか。うーむ、深いな、シニア婚……(笑)。

でもそういった遺産トラブルは、相談所の場合はそんなに多くないですね。逆に多いのって、パーティーとかプライベートで会ったりしたケース。お父さんが婚活してたなんて知らなかったって子どもが大反対して、縁談がまとまらないこともあります。

でもまぁ、それはちょっとわかるかも。自分の父親が母と死別した後にこっそり婚活パーティーとか参加してたら、「ふざけんな、ジジイ」とか思うもん(笑)。

パーティーは結婚目的じゃなくて、お茶飲み友達探しとか、入籍を求めてない方もいらっしゃるので。月に一回おしゃれして銀座に来るのが好きなんだよ、それで人としゃべるのが楽しいんだよ、という方もいらっしゃるし。再婚相手を見つけたいという真剣度の高い方も来たりするんですけど、気軽に利用できるものほど、皆さん見てる方向バラバラじゃないですか。アプリなんてその典型ですよね。パーティーも、友達の付き合いで来てみたとかそういう感じだから、真剣に結婚相手を探したければ相談所のほうでお見合いしたほうが早いし。資産家の方はあらかじめ未入籍の相手を希望している、とプロフィールに書いてるんですね。

未入籍?

事実婚希望。

お付き合いというか同棲だけ?

それも事実婚もいろいろあって、籍入れないけど住むところは一緒、籍も入れないし住むところも別という方もいたりとか。これが成り立つのは、女性もちゃんと家があって経済的に自立してないと無理だったり。あと、死別の女性に多いですね。遺族年金もらってるから籍は入れたくない。

ああー、遺族年金を打ち切られちゃうわけだ。

はい。入籍するともらえなくなっちゃうので。あと自分の持ち家もあるから、住むところも心配ないし、新しい再婚して親戚付き合いもしたくないし、自分の家に男の人が来るのは近所の目があって嫌だから、通い婚がいいという人もいます。

熟年結婚で健康的な生活を手に入る?

いろいろあるね。でもさあ、シニア婚となると、一番問題になるのは認知症じゃないですか。

そうですね。

こればっかりは予測つかないからさ、どっちが先にボケるかとか。年が上だから先にボケるとも限らないからさ。

それにシニア婚って、一緒に年を重ねて老いていってるわけじゃないじゃないですから、情もそんなにないじゃないですか。なので、一緒に暮らしていくにつれ、生理的に嫌な部分が見えてきたとか、そういう愚痴をお客さまから聞いたりするんですよ。幸せにはやってるんだけども、ちょっとした生活の愚痴みたいなのをね。そういう時は「初心にかえって、婚活のことを思い出して。せっかくいい人に会えて楽な生活してるんだから、そんなこと思っちゃダメよ」って話はしてるんですけどね。「信頼関係をつくりあげてってる途中なんだから」って。でも、男の人の方がどうしても先に年とるじゃないですか。だから食事してすぐ寝てる夫を見て、ぐうたらしてるなって思っちゃったりするんですって。でもおじいちゃんだから、ごはん食べたら横になりたいとかあるじゃないですか(笑)。すごくそのあたりシビアな目で見るようになっちゃうみたいですね。

その上ボケられたりしたらさ。やっぱボケって想像以上に大変じゃないですか、ボケてない方にしてみれば。うちも母がボケたのを見て「えっこんなだったの?」みたいに動揺したわ。頭ではだいたい知っててもね、実際に目の前にすると驚くよね。あと寝たきりとかなられたら大変でしょ?

でも熟年結婚すると、かえって健康になることのほうが多いですね。

へぇ。

ちゃんとバランスのいい食事を男性も食べたりとか、2人で長生きしたいからウォーキングしたりとか、刺激が出るじゃないですか。だからボケにくかったりとか。このあいだ聞いたのは、男性が高熱を出して寝込んじゃったんですって。こういう時期だから、コロナじゃないかとすごい心配して、3日くらい高熱でうなされていて。そしたら、付き合ってる時からちょっと口臭が気になる人だったらしいんですよ。家の中も口臭っぽい匂いがして臭いなと思ってたんですって。熱が下がらないから、この人虫歯なんじゃないのと思って。

虫歯で熱なんて出るの?

もうそれが、菌がひどくなっちゃって。で、歯医者に行ったらやっぱりひどい虫歯だったみたいで。口臭もなくなったし、よかったよかったって。

でも虫歯痛いじゃん。本人気が付かなかったのかな。

その人、前の奥さんと死別した男性だったんですけど、奥さんに死なれてうなだれて、いっつもリビングでお酒飲んで、つまみ食べながら泣きながら眠るみたいな生活をずっとしてたらしいんです。そしたら虫歯がどんどん悪くなってっちゃってって言ってました。あと、定年退職すると刺激がなくなるじゃないですか。考えることって、今日何食べようとか、夜何食べようとか、食べ物のことばっかりになっちゃう(笑)。

それはわかる。よくわかります。

シニア婚してからは女性が作ってくれたりするから、そういう生活から抜けられたみたい。それに妻と会話することで精神も健康になってるんじゃないかなと思いますね。

それはいいことだね。「シニア婚健康法」か、新しい!

vol.3へ続く・・・

立花 えりこ(ブライダルゼルムアドバイザー)

㈱Bゼルム代表取締役。業界最年少で婚活アドバイザーとなり17年。シニア世代の婚活を中心に様々な情報を本ブログにて発信中。昨今はシニア婚活有識者として、様々なメディアでも話題。『現代ビジネス』田原総一朗氏との誌上対談、女流作家中村うさぎ氏との対談のほか、女性紙でのコラム執筆など、メディア取材履歴はこちら

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